おばぁちゃんの死

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僕のばぁはね? やさしくて いつも笑顔で おいしい料理を作って 小さい頃の私の母であった お母さんのオムライスがすき でも、婆の交ぜご飯も好き お母さんは交ぜご飯は苦手なんだって 婆は本当は元気なんだよ だから、寝たきりの婆は認めたくなかった 婆の匂いが婆の匂いじゃなくなるのも嫌だった 晩年の婆は婆なんかじゃなかった 本当はニコニコしてて 本当は畑の土の匂いで あんな…婆じゃない だんだん人間らしくなくなっていくのが 嫌 そうだよ 元気な婆こそ 私は忘れちゃいけない 肺がんなんか嫌 結局 僕は 婆が 好なのか 嫌なのか 解らない どんな声? どんな笑い方? どんな匂い? 1週間たった今 婆の顔すら 思い出せません 2008/3/23 18:15
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