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まさか、こんなに早く会うことが出来るなんて……!
心の準備をしていなかった私は、そのまま固まってしまった。
目の前に、あの人が……松木さんっていうんだ……。
「しずくっ」
見兼ねたのか、ミキちゃんが私を小突く。
我に返ると、ミキちゃん、美雪さん、そして、松木さんがそれぞれ私を不思議そうな目で見ている。
「あっ、そのっ! すみません、ぼーっとして……」
私は真っ赤になって、勢いよく頭を下げた。
「しずくってば、ちょっと人見知りなんです。ねっ、緊張しちゃったんでしょ?」
すかさず、ミキちゃんのナイスフォローが入って、美雪さんも納得したみたいだった。
「そうだったの。気にしなくていいのよ。うちの部長だって、ホラ、ぼーっとしてるし」
え……?
美雪さんの言葉に、私はおそるおそる松木さんに目を向ける。
私と目が合った瞬間、ふいっ、と横を向いてしまった。
でも、顔がほんのり赤いところを見ると、照れているように見えたので、私はほっとした。
嫌われたわけじゃないみたい。
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