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放課後。
私は西高校の前に来ていた。
勢いで来ちゃったものの……
。どうしたらいいのかわからない。
そもそも、松木さんまだいるのかな?
「しずくちゃん?」
聞き覚えのある声に振り向くと、美雪さんが立っていた。
「美雪さん!」
「どうしたの?」
……何て言えばいいんだろう。
言い淀んでいると、美雪さんが思い出したように話し出す。
「もしかして、ミキちゃんのこと? どうしたかなって、電話したあと気になってたんだ」
ちょっと寂しげな美雪さんの瞳。
私は元気付けるように言う。
「ミキちゃんは大丈夫です。多分、時間が経てば」
私の言葉に少し安心したのか、美雪さんは笑顔を取り戻した。
「それで、しずくちゃん。何か用事?」
あ、そっか。
私は松木さんに会うために来たんだ。
そうだ、美雪さんになら……。
「あのっ! 写真部の松木さんに会いたいんです。ちょっと、聞きたいことがあって……」
私は、美雪さんが写真部で一緒にいる時間があるだろうと、安易な気持ちで聞いた。
だけど、返って来たのは、意外な返事だった。
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