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……どのくらい経っただろう。
私は美雪さんの家にいた。
あの後、泣いていた私を半ば強引に美雪さんが連れて来たのだ。
温かいミルクをもらい涙が止まった頃、美雪さんが話しかけて来た。
「どう? 少しは落ち着いたかしら?」
「はい。すみません、お邪魔してしまって」
「いいのよ。気にしないで」
美雪さんの笑顔が、私の心を暖めてくれた。
でも、私は美雪さんに聞きたいことがある。
絶対、松木さんと美雪さんの間には何かある。
私は思い切って口を開いた。
「美雪さん、あの……!」
美雪さんは何かを察したように頷いた。
「びっくりしたでしょう? さっきの松木くん。この時期の雨の日は仕方ないの」
「でも、どうして……」
美雪さんは、私の目を真っすぐ見た。
そして、話し始めた。
「私の妹の美菜(みな)がね、松木くんと付き合ってたの。すごく仲が良くて、とてもお互いを想い合ってた」
――え?
美雪さんの妹と、松木さんが……?
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