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日曜日。
私は朝からバタバタしていた。
何着て行こうとか、髪型をどうしようかとか……。
そんな私を見て、妹のかずさが声をかけてくる。
「めずらしいね、お姉がそんなにバタバタしてるのって。……さては男だな?」
男、という言葉に瞬間的に反応し、思わずドキッとしてしまう。
「そっ、そんなわけないでしょ!」
言葉では否定しながら、耳まで真っ赤になる私。そんな私を見て、かずさはそれ以上からかわなかった。
何かを感じ取ったのかもしれない。
「もうミキさん着いてる頃だよ。早くいってらっしゃい」
かずさは後ろ向きで右手をヒラヒラさせながら、リビングに戻って行った。
私は慌てて帽子を手に取り、それを被ってバックを持って飛び出した。
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