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数年前の夏の日の午後のこと、
親戚の家にいた幼い私の元に、鈴の鳴る様な軽やかな声と共に彼女は現れた。
初めて見た彼女の笑顔はまさに、一欠片の傷もないきらきらと輝く水晶に雲一つない青空を映しそれに約20ccのポン酢を加えミキサーで砕いたものをほかほかのご飯にまぶしさらにお茶をかけて召し上がるような感じだった。
思えば、私はその時どんな顔をしていただろう。
太陽に照らされ風にそよぐ野菊をよく胡麻と一緒に炒ったあとでそれを焼きたての食パンに塗りたくり召し上がるような感じの顔をしていたかもしれないと思うと少し恥ずかしい。
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