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拓翔
『む…んむ…』
涼香
『ん…んん…』
ちゅ…
ちゅ…
ちゅぷ…
二人だけの空間…
二人だけの場所…
二人だけの時間…
俺は貪るように…
涼の唇を求め…
無我夢中で吸い付いた…
そのキスは…
怜の時とは全く違った…
心身共に満たされる…
そんなキスやった…
キスは…
激しさを増し…
いつしか…
舌をねっとりと絡ませ合う濃厚なものへとなっていった…
柔かい唇…
幾度も幾度も絡み合う…
舌と舌…
飽きる事なく繰り返す絡み合い…
それはまるで、長かった空白の時間をお互いが埋め合うかのように…
また、お互いの愛情を確かめ合うように…
お互いの愛しさをぶつけ合うように…
果てる事なく続いた…
拓翔
『涼…ホンマ好きや…』
…俺は…いつの間にか、自然とこんな台詞を囁いていた。
言うた自分自身もびっくりした。
ずっと溜め込んどった想い…
その本気の想いが初めて言葉になって出て来た瞬間やった…
唇を離し…
涼の目を見つめながら…
俺は…
想いを―…。
涼の目から…
一筋の光が流れ落ちた。
まるで…
遥か天空から流れ落ちる流星の如く…
その光は…流れ落ちた。
涼は、俺にきつく抱き着いてきた…
そして…
涼香
『アタシも…ホンマに好き…その言葉…ずっと待ってたんよ…』
拓翔
『涼香…』
二人は―
再び唇を重ね合わせた。
先程より激しく…熱く…。
そして…
お互いの体を求め合うた。
不器用な愛撫…
不器用なキス…
せやけど…
お互いに直に肌と肌を合わせ、お互いの温もりを感じ合い…
確かめ合うお互いの愛情…
部屋には…
二人の空間には…
熱いお互いの吐息だけが…
切なくも激しく響き渡っていた。
拓翔
『涼香…俺…もう…涼香ぁ…っ…』
涼香
『拓っ…翔ぉ…っっ…』
お互いに…
不器用ながら…
一生懸命に…
激しく…
愛情をぶつけあった…。
シーツには…
愛の契りを交わした後に咲く、紅の花が咲いていた…。
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