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どうやら私は学校一の美少女とか言われているらしく、毎日のように告白してくる男がいるわけだ。
まぁ、確かにね。
こんな性格ブスに告白してくるんだから、美少女らしいよね。
中身を見ろよ! と言ってやりたい。
見せませんけどね。
「花音さん、おはよう」
「おはよう」
私がにっこりと返事をすると、挨拶をしてきた男とその隣の男がゲラゲラと笑う。
「お前いつの間に仲良くなってんの!?」
「いいだろ~?」
下品に笑うこの男ども。
殴ってやりたい。
そもそも仲良くなった覚えなんかないわっ!
このクソったれが。
私は心の奥で、この下品に笑う男どもに唾を吐き捨てた。
私も十分下品か。
そう──。私こと可愛花音は二重人格。
見事に歪んでくれたこの性格。
知っているのは、勿論、沙良だけだ。
そして原因はきっと、いや、絶対に私が大嫌いな言葉のせいだ。
「可愛さん、今日も可愛いねー」
「ありがとう」
うっさい、黙れ。その口塞いでやろうか?あん?
そう、この言葉。
「可愛い」という言葉。
聞いただけでも虫酸が走るとはまさにこの事だろう。
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