~高校1年生・夏~

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翌日、空也は両親に挨拶に行くからと車を発進させた。 なんか海が見える場所でもないし、どんどんビルが溢れる街へと車は進んでいく。 空也はスーツを着て、私は真っ白なワンピース。 親に会うのに空也はスーツを着るのか?とか思ってしまった。 夏休み────……。 「何ここ!なんで高そうなレストランなわけ?」 「静かにしてください、茉莉」 空也は「騒がないで」と呟いて、私の手をとり、すーっと歩いていく。 「お久しぶりです、お父さん、お母さん」 「初めまして…」 …はれ?なんかどっかで見た? 初対面だよね。うん 「空也。20分後に会議がある。悪いが用件を早急に申してくれないか?」 「…角谷茉莉さんと、結婚したいんです」 「結婚するなら手に職つけてからにしなさい。議員が一番望ましいがお前はなる気はないのだから」 ん?薬剤師って…職…じゃ? 「大学卒業まで、駄目…なんですか?」 大学卒業? 大学出て──…また…うそ?
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