~高校1年生・春~

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「空也」 私は、高校生になった春。 ずっと、あの人の側にいた。 「一応、教育実習生ですよ。僕」 この時期、教育実習生なんて普通いないけれど、親が有名だとかで特別教育実習生として空也は、この学校にいる。 「だって、再会した。再会したら、結婚してくれるって言った」 私はとにかく結婚したくて仕方なかったんだ。それは憧れというものがすべてを物語っていた。 愛する人と共に過ごし、私がご飯を作って一緒にご飯食べて、子供を産んで…大きくなって。 「茉莉。茉莉は幸せの中を生きてきた。子育ての苦労も、親の大変さも、子供の辛さも解ってないだろう?」 私は思わず叫んだ。 「約束が違う!」 「茉莉。話を聞いて」
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