~高校1年生・春~

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「空也は結婚するの、私と!どうせ教師にならないんだから、恋愛も結婚も構わないよね?」 空也は教師になる気はない。 だから私は脅すような口調で彼に迫った。でも、やっぱり私より年上だからか別に驚く様子も何もなかった。 「………茉莉。変わらない、茉莉。どうしてそうも純粋なのか僕は分からない…純粋なのに黒い君」 「空也!」 「親は年上の僕を結婚相手として許すの?──まあ、今はいいか。茉莉、レストラン行こう」 空也は教育実習生なのにかなりサボったりして私を連れ出す。でも、おとがめも何もうけなくて私は空也の何が特別にさせるのか分からなかった。気にもしなかったし、空也が結婚を拒む理由さえ知らなかった。 後10日。 10日したら会えなくなる。 学校では。 学校での秘密の恋愛にも憧れるのになぁ。
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