翻弄

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血を流し、嗚咽を吐きのたうち回り、やがて動かなくなる。ああそうだ、これが『殺し』だ。 数えきれない尊い命を踏みにじって、俺は今日まで生きてきた。…仕方がない、これが戦争なんだ。弱い奴は容赦なく潰される、ここはそんな世界だ。 「ディル!後ろ!」 「…オオッ!」 手に集中し、『ソウル』を光の粒子として瞬時に集める。そうして創った細身の剣を一瞬で掴むと、突っ込んでくる白い軍服の人間に突き立て、薙ぎ払った。 「ゲハッ…!!」 胴から吹き出す血の噴水を自ら眺めながら、悲鳴をあげ、やがてその場に倒れ込んだ。そいつは二度と動きはしない肉体になった。 ……直に言えば、死んだ。 「き、貴様ァ!!!」 まだ血に染まってない同じ軍服を纏う集団が、やはり俺に斬りかかってくる。 「(馬鹿野郎共が……)」 空いている左手に、ソウルを球体の形に集め、光の玉を創る。それを先頭の敵に思いっきり投げつけると、 「ぐおっ!?」 豪速球で腹部の鎧にめり込んだ光の玉は、その瞬間に輝きが一気に強まる。 そして、大爆発を起こした。 爆発源の敵は一瞬だろう。巻き込まれた奴らの悲鳴は凄まじい爆音にかき消されていた。……別に、聞きたいわけではないが。 「……雑魚が」 あの日から15年……。 地獄の日々を送る内に、俺はキル最強の兵士として世界に恐れられていた。 …だが、俺自体は好んでいない。
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