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ー翌日ー
出掛ける準備を手早く済ませ、tetsuは成田へ向かった。
空港に着き、ロビーを駆け回りアリスを探した。
アスカ「もう少し、休んで行こうね」
アスカがアリスの車椅子を押し始めた。
アリス「…ん?ちょっと待って…誰か呼んでる?!」
アスカ「え?!」
tetsu「アリス~!アリス~!」
tetsuは振り返る観光客など気にも留めずに、アリスの元へ駆け付けた。
アリス「tetsu!!」
アスカ「tetsuさん!」
tetsu「ハァ…ハァ…アリス…良かった間に合って…。ご無沙汰してます、すみません急に来て…kenちゃんから聞きました。」
アスカは笑顔で頷くとアリスの肩をそっと撫でて、その場を離れた。
アリス「tetsu…来てくれてありがとう」アリスは、tetsuに手を差し延べた。
tetsuは優しくその手を握り返した。
tetsu「アリス…手を開いて。」
アリス「こう?」
tetsuはポケットから可愛く包装された、小さな箱を取り出し、アリスの掌に乗せて、落とさない様に手を重ね合わせた。
tetsu「前に約束した、俺の曲だよ。俺はいつでもアリスを見守ってるから…頑張って!」
アリス「ありが…とう…tetsu…本当に…」涙で言葉にならない、そんな彼女をtetsuは優しく抱擁した。
tetsu「身体に気を付けて…元気でな!」
アリス「うん!tetsuも元気でね!」
アスカ「アリス…そろそろ行くわよ。tetsuさんありがとう!」
アリス「ありがとうtetsu」アリスはずっと手を振っていた。
tetsuもアリスが見えなくなるまで手を振った。
空港を出て、アリスが旅立った飛行機をずっと眺めていた。
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