少年と桜

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道下「あれから10年かぁ…」 道下はあれから毎年公園に来るようになった。全裸で。 だが、阿部が現れることはなかった。 道下「あの時の桜の木、せっかく咲いたのになぁ。…阿部さん…」 例年と同じように公園にきていた道下はトボトボと歩いていた。全裸で。 強い風は吹いていたが彼のお菊さんから生えた桜の花は散らなかった。 ベンチに座り、両足をあげる形で桜の花を見てみる。 道下「見てもらいたかったなぁ…桜…。はぁ…。」 がっくりとうなだれる道下。両足は上げたままである。 道下「…帰るか。」 少し桜の匂いをかいだあと立ち上がろうとする。その時。
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