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「ただいまっ」
明るい声。
現れたのはやっぱり彼女だった。
「うっわ、相変わらず汚い部屋。信じらんない」
彼女が、冗談を混じりの口調で言った (冗談混じりのような言い方で、本音なのだからタチが悪い)
さらさらな金髪、透き通るような白い肌、海みたいに深くて青い目、整った顔立ち、ほんのり赤い頬、まるで西洋人形のような彼女。
「ハイナも気の毒だね」
見下すような、馬鹿にしたような喋り方。
そして、彼女――ソニアは笑った。
ソニアは、私の妹だった。
容姿端麗で、明るくて、それでいて知的、まるでそう絵本の主人公そのものだった。
しかし性格は信じられないくらい最悪だった。
外面は良いけど、私に対しての態度は見事最悪の一言に尽きる。
「おかえり、ソニア」
ソニアの挑発を全て無視し、私はいつもと同じように声をかけた。
いつものやり取り。
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