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遠くで時計塔が鳴る。
あの後、お母さんに散々頬を打たれた後、私は薄暗い屋根裏の中に閉じ込められていた。
埃まみれの床、小さくひび割れた窓から僅かに雨水が入って来て、布切れを濡らす。
随分、寒い。
屋根裏から出たくたって、ドアは外側から閉まっているから出ることは叶わない。
だから私はお母さんの気が済むまで、屋根裏に閉じ込められなければならない。
「退屈」
私はぽつりと呟いた。
別に、閉じ込められるのは痛い訳じゃないから苦じゃないけど、やっぱりお腹は減るし退屈だった。
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