1-何時-

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湿っぽく冷めた隙間風が私の頬を切る。 ガタガタと部屋の外が騒がしくなる。 同時に、床の軋む音、階段を上って来る音がする。 彼女が帰って来たみたいだ。 噂をすればなんとやら。 そんな事をぼんやり考えながら、私は横たわったまま扉の方へ目をやった。 茶色く、沢山ひび割れをした、扉と言うよりは板と言った方が相応しいような扉。 この屋根裏部屋まで続く、古びた階段を上る音が、徐々に近づいて来る。 そして、足音が扉の前までやって来た。 ドアノブと言うにはいささか質素な取っ手が、がちゃりと周り、ドアが開く。 蝶番が錆びてしまってる上、壊れているので、やたら耳障りな音を立てて。  
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