act2. 夢を見る男

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帰宅途中の車の中、信号待ちでふと、脇を見る。 古ぼけたドアに似合わない、綺麗な細工が施されたプレート。 「グリド」と書かれたそれに、俺の目は奪われた。 ――店、か? 通い慣れた道脇の、見慣れない建物に違和感を覚える。 プップーー! クラクションの音で我に返った。 「うわっ、青だっ。」 慌てて車を発進させたものの、俺はあのドアの向こうが気になり、すぐ引き返した。 車を脇に止め店らしきドアの前に立つ。 恐る恐るドアを押した。
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