隣の席

2/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
毎朝電車で通学。 田舎に済むあたしは、高校に行くまでも必ず電車は避けずにはいられない。 しかし、最近はその必須の電車も避けたい気がしてきた。ううん、でも避けることは不可能なのだけど。 でもなぜ、避けたいのかと思うのか。 それはただ、毎朝の如く足を踏んでくるあいつの事だった。 「……。」 「……。」 通学に使うこの電車の線はあまり人がいなかった。 10人いるのもいいほうで、当然の如く席はどこに座るのも選べるくらいだ。 しかし、あたしが電車に乗って座るところにいつも、隣に"あいつ"がいる。 否、必ず座る。 最初は不思議に思った。 何故、空席はたくさんあるのにいちいちあたしの隣に座るのだろう、と。 見たところ知り合いでもないし、他校だから名前も知らない。 あたしに気があるのだろうか?と思ってみたが、声を掛けてもこないし、最近となれば足を踏んでくるようになった。 わざとだろうな、これ。 あまりにも不自然だし、靴汚れるし。 単なる嫌がらせ? あたしの足より一回り大きな足。正直重たい。 今日こそ、本人に問いだしてみようと思う。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!