sea.03 感情

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あいつなら、あとでなんか言いそうだし… 「由里、ちょっといい?」 ふと構内にある柱の陰へ呼び出す。 人 二人分くらいなら隠してくれるぐらいの太さだ。 「爽?どしたの?」 上目遣いで俺を見る、由里。 可愛いなんて思わない…俺の好みじゃないから。 「ごめん。今度な?」 優しく甘く囁く。 できる限り顔を近づけると、また頬を紅くする。 額と額同士をくっつけ、そっと唇を塞いだ。 何か言いたそうだったが、言わせない為にキスしたようなもの。 舌を絡ませ、息継ぎの暇がないくらい激しく…。 そっと唇を離した。 「爽、誰かに見られちゃうよ?」 由里は、赤い顔で嬉しそうに言う。 「ん~。大丈夫だって」 「本当に?」 本当だよ と言い、ほっぺに軽くキスして由里から離れる。 真紀の元へ。 「真紀、お待たせ」 「よくできんね。いつも僕は感心しますよ」 「あなたこそ、彼女何人いるんですか?」 真紀とはいつもこんな会話だ。
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