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よりによって何故いまこの話?
蓮の名前を出す?
「湊がたまたま会ったんです。あいつは蓮のことわかってないけど…んで……だから」
「俺はまだ会えないから。今の聞かなかったことにするわ」
「先輩…」
それでいいんですか?なんて聞けなかった。
というか、聞くなって眼が言ってるんだ。
「俺のこと聞いてきても、言わないでね」
じゃあな いきなり呼び出して悪かったと付け足して、先輩は食堂とは反対側に行った。
なんで口を滑らせてるんだ?
何してんだろな、俺。
約束守れないかも…麟。
そんな自己嫌悪になりながら、真紀の待つ食堂へ足を運ばせた。
行きも帰りも、足取りは重かった。
「あ、いねぇし。つうか今何時だよ?」
時間はもうすぐ長針が5を指すくらいだった。
真紀もいないことだし、1人で食堂にいることにする。
この1人でいる時間が嫌いだ。
自分の部屋にいるときとは違い、このでかい…だだっ広い空間にいるのはとても嫌になる。
早く来てよ…蓮。
早く俺の側に来てよ…
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