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神隠し
そしてその日から一週間…
ツレからの連絡が途絶えてしまう。
嫌な予感がした私はツレの家に直接行ってみる事にした。
ツレは家にいた…
変わり果てた姿で…
頬はこけ、目の下に隈を作り、立っているのがやっとの状態であった。
私がバイトで帰ったあの日から下痢と嘔吐を繰り返し一睡もしていないらしい…
私の脳裏にクレヨンがよぎった。
ツレは言う
「この家はおかしい…
だから隣の婆ちゃんに昔の事聞いたんや。」
私は聞く。
「なんてよったんや??」
ツレは答える。
「あったらしい…」
!!?
「何が??」
「昔この家で神隠しがあったらしい…」
「誰が消えたんや??」
「七歳の女の子。お父さんやらおじいちゃんやらが捜し回ったけど結局見つからんかったんやって…」
「おじいちゃん??おじいちゃんもこの家住んどったん??」
「オトンにオカン、オジイにオバァとその女の子が住んどったみたい…」
??
その話しに私はこの家から感じる違和感と同じ物を感じた。
この家の一階はキッチンとリビング、トイレ、風呂といった感じになっている。
つまり寝室は全て二階になる。
だが二階には部屋が二つしかなかった…
祖父と祖母の部屋。
父と母の部屋。
足りない…
子供部屋が足りないのである…
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