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子供部屋
私達は外に出て家を眺めてみた。
やはり…
ツレの部屋の横に部屋一つ分のスペースが外から見て取れた。
私達は確信する。
あそこに部屋がある。
私達は部屋があると思われる廊下の前に立っていた。
大きなハンマーを持って…
ツレは言う。
「なんもなかったら俺といっしょにオトンに土下座な。」
私は答える。
「お前のオトン恐いから無理。」
そして私はハンマーを全力で振り下ろす。
バキッ!!
そこにはサッカーボール程の穴が開いていた。
ツレはその穴から中を覗き込んだ。
「うわっ!!なんやこれっ!!」
ツレは叫びながら尻餅をついた。
「い…異常や…」
ツレは青ざめ腰を抜かしている。
私も意を決し中を覗き込んだ。
中は異様な光景であった。
部屋の中の壁にはびっしりと赤いクレヨンで
お母さん助けてお母さん助けてお母さんお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母さん助けてお母
助け…
幼い字で書きなぐられていた。
そして部屋の隅にはポリ箱程の大きさの、人の形をした黒い物体が転がっていた。
ツレはつぶやく。
「ずっと…
ずっとおったんか…
遊んでる時も…
寝てる時も…
アレが…」
私は答える。
「あぁ、ずっとおったんやな…
お前の隣に…」
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