第一夜 学校

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時は過ぎ、昼休み 流は結局、午前中を屋上で寝て過ごし、下層から聞こえてくる生徒達の喧騒といつの間にか瞼に差し込む太陽光で目を覚ました。 ここの生徒は主に、“学食派”“弁当派”昼休みになると売店で売られ始める“パン派”の三つに分けられるが、流はそのどれでもなく、コンビニ等で買って持参してくるいわゆる“持ち込み派”に属している。 流は上半身を起こすと、座った姿勢のまま影の中に収まるように器用に動く。 何度か座り直し、一番しっくりきた座り方(右膝は立てて、左足は伸ばした格好)に落ち着くと、着ていた淡い紺の学ランの内ポケットから、カロリー○イト チョコ味を取り出す。 封を切り、そこから一本無造作に手に取り、おもむろにくわえ、咀嚼(ソシャク)。 流の両手は頭の後ろで組まれており、空を見上げながら食べている。 そして、食べながら流はある事を思う。 コレ、のど渇くんだよな~ すると、それに答えるように、屋上の扉の開く音が流の耳に飛び込んで来た。
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