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「ほんっと、病的」
吐き捨てるような、どこか諦めたような口調で友人は呟いた。しっかりあたしに向かって。
「美代。いまさら、いまさら」
軽く笑い飛ばすと、思い切りしかめつらをしてくる。美代はあたしの幼なじみで腐れ縁だ。
そんでもって、今はお昼休み。最近流行りらしい、セーラー服がどうとかいうマニアックな曲がスピーカーから流れてくる。
美代はあたしの態度が気に食わないらしかった。
「自分でいまさらとか言うなよ。てか、何なのよそれは」
美代はあたしの弁当箱を真っ直ぐに指差した。
どちらかというと男勝りなあたしには、あまりそぐわないキャラクターもののピンクの弁当箱。白い猫が蓋にでかでかとかかれている。
あたしはそれをそっと撫でて言った。
「もちろん、おそろいだよ、由佳里と」
「そこまでするか!?」
美代の訴えは、ちょうどサビのパートにさしかかったアニソンによってかき消された。
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