144人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ勇奈。あたし長年あんたと付き合ってるけどさ、これだけはどうも理解できないわ」
言いながら美代はあたしが箸をつけているご飯の部分を見て、さらに溜め息をついた。
「どこがいいの、あの子の……」
「全部!」
あたしは間髪入れずに即答した。そのまま勢いよくご飯をかきこむ。のりで書かれていた『ゆかりLOVE』の『ゆか』の部分が腹の中に消えた。
理解してもらえるとは思っていない。だけど、あたしが妹を溺愛していることは変えがたい事実だ。恋していると言っても過言じゃない。
「だってシスコンですからっ」
あたしは誰にともなく誇らしげに宣言した。
最初のコメントを投稿しよう!