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「…えっとね…まだリハビリが終わってないから…月曜日の夕方には…帰らなきゃいけないの…」
月曜の夕方か…。いくら何でも早すぎないか…?
そりゃあ…リハビリは継続しなきゃ意味はないんだろうけど…。
もう日本でリハビリしてもいいんじゃないか…?
あぁ…でも…日用品とかはあっちにあるから…どうしても一回戻らないといけないのか…。
「そうか…短いな…。
有希…何かやりたいことはあるか?
俺にできることがあったら何でもしてやるぞ?」
今現時点での俺にはこれくらいしかできないよな…。
結局、まだ学生で資金面で安定の望めない俺には有希をどうこうすることはできないんだ…。
「本当…!?じゃあ有希…お祭りに行きたい…!」
祭り…?明日のかな…?
でも…明日の祭りは瑞穂と二人きりで行く約束してたよな…。
でも…俺が有希にできることといったらそれくらいしかないし…。
でも、こうやっていろいろ協力してくれた瑞穂との約束をみすみす破るなんてできない…。
困り申したわ…。
「うぬぅ…悠太よ。もし私との約束で悩んでいるのなら…気にすることはない。
せっかく兄妹が会えたのだ…。二人で行ってくると良い…」
俺が悩んでいると、瑞穂は気を使ってそう言ってくれた。
「…お姉ちゃん…お兄ちゃんと約束してたの…?」
「ん?まぁ…そうだが…有希のためだからな!私のことは気にせずに悠太と楽しんできて良いのだぞ?」
瑞穂は笑顔でそう言ったが…どこか悲しそうだった。
……やっぱり…ダメだ。
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