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「有希…ごめんな?二人きりで祭りは行けないや。瑞穂とも約束してたんだ。
瑞穂も一緒でじゃないと…」
「悠太…?」
瑞穂は少し驚いたようだが、すぐに穏やかな表情に変わった。
一方の有希は残念な顔をしているどころか、どこか嬉しそうな表情をしていた。
「…お姉ちゃんも有希と一緒に行ってくれるの…?」
……それどころか、そんなことを尋ねてきた。
「うぬぅ…しかし…良いのか?せっかく悠太と二人きりになれるというのに…」
「いいの…。みんな一緒の方が楽しいから…!」
…つまり、俺の自意識過剰だったわけと。
確かに有希は二人でなんて言ってない気がする。
「そっ…そっか!じゃあみんなで行こうな!」
「…うん!」
あの俺にベッタリだった有希が…成長したんだなぁ…。
その後、瑞穂は帰っていき、俺と有希は一階で食事をとった。
母さんも帰ってきていて、みんなでリビングで過ごしたあと、有希と母さんは一緒に風呂に入った。
風呂から出てきた有希はどこか嬉しそうで、何故嬉しそうだったのかを聞きたかったが、それも野暮なんで俺はそのまま風呂に向かった。
風呂から上がり、寝間着に着替えた俺がリビングをのぞき込むと、有希と母さんが楽しそうに話していた。
俺も行こうとはしたのだが、よく考えると母さんと有希はあまり話す時間が無かったような気がした。
少し残念だったが…俺は気をつかって自分の部屋に向かっていった。
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