01.恋文。

6/17
43508人が本棚に入れています
本棚に追加
/1463ページ
『あんさ、お前のアドレス教えてほしいって人がおるけん、教えていい?』 『は?……誰が?』 私が、ポカンとしていると ユミが『ほらね』という顔をした。 『多分、顔見ればわかると思う。ま、その辺はメールがきてからのお楽しみっ』 健斗は、そこまで言うと 軽やかなステップで去って行った。 『ちょっ…まだいいとか言ってないやん!!』 私の声が健斗まで届かなかったので、私は、気が抜けて机に頭を置いた。 ま、いいや…。 もしあれだったらアド変すればいいし……。 秋の風が、窓の隙間から私を通り抜けた。 _
/1463ページ

最初のコメントを投稿しよう!