プロロオグ。

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昔、熱狂していたアーティストのポスター。 卒業文集。 アルバム。 読まなくなった漫画。 そのひとつひとつを 触るたびに、懐かしさが込み上げる。 私は、自分が自然に笑みをこぼしていることに気づいた。 『うわ、懐かしー』 掃除は中断。 私は、必死に段ボールを漁った。 そして、見つけた。 高校時代に使っていた携帯。 ほんの数年前のことなのに 背筋が寒くなるほど懐かしかった。 私は、一緒に入っていた充電器をいそいそとコンセントに差し込んで、携帯に取り付けた。 携帯のランプが、弱々しく灯った。 私は、ゆっくり あのメールを開いた。 嬉しくて嬉しくて 保護したままのあのメールを。 _
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