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さっちゃん
はね
フミキ
リで足
を
なく
したよ
だから
オマエの 足を
もらいに
いく よ
今 夜 だ よ
さっちゃん───
「なっ…なに、コレ……?」
「コレって…あの人達が言ってた……?」
女子高生に聞いた話が頭に浮かぶ。
「……さっ、ちゃん……。」
「え、でもあれって……。」
私が小さく呟いた言葉に、鈴香が顔を引きつらせた。
「もうわけわかんないよ……。
誰よ、さっちゃんって…!」
桜は頭を抱えて座り込み、ついに泣いてしまった。
その様子を見た鈴香が、優しく桜の頭を撫でた。
「今日はもう、終わりにしよっか!」
「うん、そだね…桜、帰ろ?」
「うん……。」
もとあった所にノートを戻し、由希のお母さんに挨拶をして、由希の家を後にした。
別れ際に、泣いていた桜が声を発した。
「明日も、探そう…ね?」
「桜、アンタ大丈夫?」
心配する鈴香に、桜は笑ってみせた。
「大丈夫、まだなにか……
あるかもしれないでしょ?」
「じゃあ、また明日…いつもの所で!」
明日の約束をして、私達はそれぞれの家に帰った。
お風呂から上がってから、私はずっとベッドの上で今日のことを考えていた。
《オマエの足をもらいにいくよ
今夜だよ……》
頭の中に、あの歌詞がベッタリ貼り付いて離れない。
「はあ…もうなにがなんだか……。」
前髪をぐしゃっとかきあげ呟いた。
明日も犯人探しあるし、もう寝るか……。
そう思い、ケータイを開くと、既に日付が変わっていた。
そっと眠りについた私の夢の中で、あの歌が流れる。
暗闇の中、さっちゃんがニヤリと笑った気がした……。
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