ため息

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昔話をします。 とても大好きな人がいました。 彼は私に人を好きになることの楽しさを教えてくれました。 全然タイプじゃなかったのに、私はいつの間にか貴方を好きになりました。 でも貴方はいつの間にか私のことが好きじゃなくなってしまったのだね。 私以上に彼女のことを好きになってしまったのだね。 ただそれだけのこと。 誰も悪く無いよ。 人の気持ちが変わってしまうことも教えてくれたね。 私は子供みたいに、大声で泣きました。 貴方はそんな私を見て泣きました。 それから永遠に続くんじゃないかと思うほど長い夜を、一人幾晩も過ごしました。 私はすっかり痩せてしまったよ。 貴方は心の傷の痛みも教えてくれました。 あれから3年が経ちました。 傷は目立たなくなったけれど、思い出したかのよいに時々痛むのです。 いつになれば本当の昔話になるのですか? 色んなことを教えてくれた貴方。 今はもう、答えてくれない。
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