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「だめ。唇は好きな人じゃないとイヤ」
そう言って俺の唇を手でとめる。
は?意味わかんね。
俺はおまえが好きで…
おまえから誘ってきたのに。
俺はあきれて彼女から離れ、
窓際に立ち煙草に火をつけた。
「すねた?」
「別に」
彼女は後ろから手を回してきた。
その気がないなら、こういうの辞めてほしい。
「あたしのこと本気で好き?」
俺は首を縦にふった。
その瞬間、唇が何か柔らかい
ものに触れた。
彼女の唇…
意味わかんね、好き人しかしないんじゃ――
「ごめん。試したの、本当は
大好き」
煙草の灰が音を立てずに落ちた。
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