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四人の頭上にクエスチョンマークが浮かぶのを見て、ドレッドはさらに続けた。
「見ての通り、ゼロサイドが倒された今でも黒き存在は存在している。まずは────」
「ちょっと待てよ」
アレンが話を遮る。
「どうしてお前がゼロサイドや黒き存在のことを知っている?」
一瞬、ドレッドとラフィアが目を合わせた。ドレッドが向き直って言う。
「まずはついてきてもらいたい。話は全て俺達のボスがする」
アレン達は顔を見合わせた。互いに目を合わせた後、ヴァースがはっきりと言った。
「理由も解らず、得体の知れない貴様らについていくのは、あまり頭の良い行動とは思えないな。それに、もしついていくとしても、アテナがここを離れることは出来ない」
それを聞いたアテナがニヤリと笑ったように見えたのは気のせいだろうか。
ドレッドは溜め息をついた。
「命がけで護ったこの世界がどうなってもいいのか? 新たな脅威が現れたのだ。貴様らの敵はまだ存在しているのだぞ」
アレン達が黙っていると、アテナが口を開いた。
「いいじゃない、行ってみましょうよ」
アテナの発言にアレン達は驚き、ドレッドは笑みを浮かべた。ラフィアは相変わらず無表情で黙っている。
「今、世界に起こってることをいろいろと知ってるみたいじゃない? ついていく価値はあると思うわ」
「でもアテナ、お前は王────」
「そうと決まったら、アレン達は先に行ってて。すぐに準備するから」
言い残して、アテナはドレスを捲(まく)し上げて走り去っていった。大臣や兵士達がおろおろしながら追いかける。人々のざわめきがいっそう大きくなり、少々気まずくなってきたアレン達もそそくさと走っていった。
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