ファイル1 赤い靴

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「それで? どうなったのですか?」 と、天使さんは話しを 促した。 「桃と同じ様に… 4時1分まで遊ばされま した…。 お人形で遊んだり、 おままごとをしたり…」 苺はそろそろと答えた。 「それからは毎晩それの 繰り返しだったのに…」 「…だったのに?  なんですか?」 「三日前から…変なんです」 苺は心底怯えた顔をした。死人の様に顔が白い。 「遊びが…変わったんです」 事務所を緊迫した空気が支配する。 ―“鬼ごっこ”と “隠れんぼ”に― (それは普通じゃないか?) 僕は不思議だった。 両方とも子供達に人気の “普通の”遊びではないか…と。 だが苺は、 今までなんとも思わなかった女の子が、 ―急に恐ろしくなったのだ まるで…愛らしい人形が、自らの本性を表し始めたかの様に…。 .
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