私の病

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私の病

私はこんなにも、愛されてよかったのだろうか。 死にたいと思う日に、いつものように朝食を摂り、タバコを吸って美味いと思う。 笑いながら話をしたり、週末の予定を考えたりする。 死にたいと思う日に、何処にも売っていない幸せや、誰も知らない空の青さを思い描く。 愛されてよかったのだろうか。 醜いかも知れないのに。 愛されてよかったのだろうか。 汚れているにも関わらず。 世界から私を追い出してしまいたい。 私のない世界はさぞ美しかろう。 海は鳴らず、空は沈黙を止めない。 人だけが生きている。 いや、人も死ぬ。 神はいつまでも、居留守を使い 私は意地になって、求め続ける。 私のいない世界を。 あなたは何度でも、ゆるすから 心を拒み続ける。 あの娘の優しさは、惨めさの裏返しですか。 それとも、それは優しさではないのかしら。 そんな風にして、愛に罰せられ 傷の深さが愛の深さだと気がつく。 愛など、死を殺す為の口実に過ぎないのに。 愛されてよかったのだろうか。 あの時、何故泣いたのだろうか。
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