無題

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無題

恋は泥の中で眠る。蔑みにまどろみ、心を閉ざしたまま、優しさだけが死んだ眼差しに宿る。闇は北の空を目指し、悪が世界への愛を歌う。朝焼けの烏どもを全て殺し、焼け爛れた真実をあなたにあげる。それは、許しを拒み続けた末の絶望、全てに置き去りにされた後での希望。何度でも、何度でも空は青いから、孤独な戦いを君は挑み続ける。何度でも、笑みを浮かべて。夜を喰らい尽くす者は、未練を侮蔑し、抽象画から這い出した形の無い亡者が影に恋をする。泥の中で眠りについた恋が、死後に白い服を纏う。落魄した私の夜を悲しみを知らないあなたが優雅にプロムナードする。恋はまだ、やって来ない。死んだはずの恋の足音を待ちながら、夜と君が絶望と愛を、悪と黄昏れを紅い宴を世界から剥がして行く。疲労は、甘く夜を溶かし、私の恋は死後も白い服で踊り狂う。私はただ一人だけ、泥の中で眠りに落ちる。
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