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「具体的には何をすればいい?」
「そうですね。麻白先輩にはドラゴンへの対抗手段として竹刀、いえ木刀を、あ、鉄パイプとかいけます?」
「なるほどね。確かに人間サイズのドラゴンだったら私でも勝てそうだわ。それに、面白そう。でも鉄パイプはおことわりだけど」
麻白は不敵な笑みを浮かべた。
「さて、じゃあ僕は何をしようかな?」
会話から取り残され気味な雅が言った。
「う……そ、その辺に居てくれればいいですよ」
「僕一応部長なんだけどなあ……」
流し目を竜樹に送る雅。
その目線に少しドキリとした竜樹は、なんとなく「この人ならドラゴンを落とせるかも」と思った。
「み、雅先輩なら居てくれるだけで凄く安心です」
「本当に?」
「う……」
たじろぐ竜樹。
ジト目の雅。
「あの……」
じとー
「う゛……」
「ふふ、まあいいよ。行けるだけで十分さ」
「すみません……」
竜樹をからかい終わった雅は、あることに気づいた。
「そういえばさ」
話を振る雅。
「なんだ?」
「なんでしょう?」
そうして自身に注意を引き付けておいてから、雅は麻白と竜樹の背後を指さした。
「「?」」
二人が振り向くと、雅の指した先には……
時計。
時刻は8:29。
「あと1分でホームルームとか始まったりするよね」
「……うわあッ!」
三人は疾走を開始した。
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