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「ぐうたらしてるんじゃないよ。素敵なカオスを待ち望んでいるだけさ」
雅は格好よさげに言い訳をした。
「本人はああ言っているが、無視して構わないぞ」
麻白は雅を一蹴した。
「だが一方で無駄に強力なメンバーの組織でもある。得体は知れないがとりあえず口だけは上手い『桶狭間雅』、自分で言うのもなんだが……剣道部部長の『奈佐麻白』、そしてなぜか年上に対して異様に顔が広い『高城竜樹』、そして後1人……今は来ていないが……超重度オカルトマニアの『岡上生彦(おかうえなまひこ)』コイツは通称『ナマ』だ」
「みんな濃いですね」
「交渉担当の雅、武力担当の私、諜報担当の竜樹、専門知識担当のナマ……どうだ?カオス捜しにもってこいのメンバーだろう?」
「はあ……」
「だが今までカオスに巡り会うことはなかったんだ、だから部長の雅も何時も大抵部室で腐っている。だが……」
途中まで言って、麻白は竜樹に目線を流した。
竜樹はうなずく。
「俺が『都会のドラゴン』の有力情報を掴んだから、ようやく活動が本格的に始まるって訳さ」
焔火はそれを聞いて、少し考えた後、
「わかりました。是非入部させて下さい」
と言った。
すると雅は「ちっちっ」と指を振った。
「だからさ、入部テストに合格しないと駄目なんだよ」
「わかりました。確かにただの人間が『かおす部』に入ることは許されない気がします。でも私、けっこう頭には自信がありますよ」
少し嬉しそうに焔火は言った。
「伊勢がいいね。だけど僕のテストはなかなかに難しいよ?」
「そうでないと意味がありません」
焔火の言葉を聞いて、
「ははッ」
と雅は笑った。
「いいねいいね。面白いよほのかちゃん」
「それで、入部テストって何をするんですか?」
「そうだね。時間も無いし、試験会場はここ、口頭試験でいいかな?」
「わかりました。ではよろしくお願いします」
龍崎焔火の入部テストが始まった。
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