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「とりあえず軽く肩慣らしかな?
『However bald you may become,your head cannot glow itself.』
今の英語を日本語に直してね」
「レベル高!!てか条件を先に言いましょうよ!」
竜樹の突っ込みも何のその、焔火はすまし顔で口を開いた。
「答えは、『いかにあなたがハゲになろうとも、あなたの頭、それ自身は輝くことはできない』です」
「なんだそれ!?」
再び突っ込みを入れる竜樹。
「うるさいなあ……今現在最も売れてる英単語帳から、例文を抜粋しただけだよ」
「一体どんな英単語帳なんですか!?」
「『もえたん』ですね」
焔火が答えた。
「あ、知ってるんだほのかちゃん」
「なんだこの人達!?」
※もえたん
萌えて覚える英単語帳であり、不健全な表現が多々含まれている。
しかし、日本で一番売れている英単語帳だ(ターゲット40万部・もえたん50万部)
「この前NHKのニュースでやってたじゃないか。竜樹はニュースも見ないのかい?」
雅は軽く竜樹を見下した。
「……」
なんだこの国。
と、竜樹は頭を抱えた。
「さて馬鹿者は放っておいて第二問。動詞、『ろりめく』の意味を答えて」
「うおおおおなんですかその明らかに不健全そうな動詞は!?」
「恐怖や心配のあまり、興奮することです」
「正解」
「え?あれ?」
「ん~、どうしたのかな、竜樹?『ろりめく』のどこか不健全なのかな?」
しまった、はめられた。
と竜樹が思った時には手遅れで、
「ふう……これだから高校生男子は……エロいねえ……過剰妄想ってヤツかな?」
「うう……」
「おい、雅。ちゃんとテストをしろ」
麻白の棘のある言い方に、雅は肩をすくめた。
「しょうがないなあ……じゃあ最後の問題。10の4乗は万、10の8乗は億、10の60乗はいくら?」
「10の……60乗?」
竜樹は指を折って数えるが、そんな数は出てこない。
「雅先輩、そんな数の位あるんですか?」
「僕は竜樹に聞いているんじゃない、これはほのかちゃんのテストさ」
「あ、すみません……」
竜樹は雅に謝りながら焔火を横目で見た。
すると焔火は口を開いた。
「そんな数はありません」
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