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出てみると店の前には沢山のヒトがいた。
「へっ、いらっしゃい。」
「貴様ら、どうやってここを知った?」
二人の声は少し低かった。
「キサマガ゛ヤミカゼノスズ゛カ。」
「キサマヲココデコロス。」
「カクゴシロ。ヒトゴロシメ。」
「へっ。いい加減そいつの皮は飽きたんじゃねぇの?」
牡丹は懐から鉄扇を出した。
「その窮屈な皮、剥いでやるよ!」
牡丹が鉄扇を開くと左目に何かの円陣のようなものが現われた。一つのヒトが気付いた時にはすでに目の前におり、鉄扇を振り下ろしていた。
「!?」
「やっぱりな。」
ヒトの顔の切れ目からなんともおぞましい鬼の顔が現われた。
「今まで何人の皮を被った?貴様。」
青龍の声に怒りが含んでいた。
「クククッ。バレては仕方あるまいな。や…!」
オニの一人が命令をだそうとした時にはすでに周りには何もなかった。チンッと真後ろから音がして振り向くと、刀を鞘に納めていた青龍がいた。
「さすが鬼だ。とてものろまだったぞ?」
ニヤリと怪しく笑う、青龍。
「クッ。」
前を見ると牡丹。後ろを見ると青龍。完璧に挟まれてしまった。
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