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鬼はビクビク震えていた。するとどこから来たのかわからないが、光を含んだ風が牡丹の周りを囲んだ。
「"彼の心に居住む悪しき闇よ。貴様らが居住むべき場はここではない。我、闇風の姫巫女の名において、すぐに立ち去れ。"」
風が鬼を囲んだ途端にすぐにどこかに飛んで行った。しかしそこには鬼の代わりに鬼が被っていた人間の皮があった。
「これでこの皮の人間は目を覚ましますね。」
「あぁ…。」
「どうかしましたか?」
「いや、厄介な相手に当たっちまったなと思ってな。」
しばらくして老人が戻って来たが、その時にはもう老人が知っているテゥルエに戻っていた。
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