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「…父上。」
不安に思ったわたしは父上を読んだ。
「牡丹!聞いていたのかい?」
「ご、ごめんなさい。父上の怒鳴り声が聞こえたから…。」
「あぁ、すまない。心配をかけたな。」
父上は少し困ったような顔をしながら、わたしの頭を撫でた。
「…。」
「?どうかしたのかい、牡丹。」
「…父上。」
「なんだい?」
「さっきあの人が行ってたのは本当なのですか?」
「牡丹…。」
「人間を助けているわたし達は人間にとって恐怖なのですか?」
「…。そんなことない。彼はあまり人と関わったことないから、人間の心理がわからないのだよ。」
「そうなんですか。」
「あぁ。だから、もう寝なさい。」
「はい。おやすみなさい、父上。」
「あぁ、おやすみ。」
今思えば違うだろう。だけどあの頃の私はなぜか納得した。
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