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少女はベッドから起きあがり、少し伸びをしてから着替え、食卓に向かった。二つある椅子の内一つにはもう青龍が座って新聞を読んでいた。少女はエプロンを着てキッチンに向かい、朝食を作り始めた。
「うわ~、今回もデカデカと載ってますよ?なになに、"闇風の鈴、またもや人々に恐怖を与える"だって!」
「…。」
「ねぇ、聞いてる?」
「…。」
カチャカチャ。
「ねぇ、ねぇってば!」
「…。」
カチャカチャ。
「もう、牡丹!!!」
「…Σあぁ、ごめんごめん。」
少女、牡丹は青龍に謝りながら机に朝食を持って来た。
「…なんとも思わないんですか?」
「何が?」
「この新聞の記事ですよ!僕達は人間を守るために戦っているのに、どうして毎回こんな扱いを受けなきゃダメなんですか!」
「仕方ないよ、青龍。人間は真実を知らない。知らないのは…」
「日常が平和であることを知らせるため、ですか?でも、僕はやっぱり納得出来ません。」
「…青龍。」
そう彼女達が"闇風の鈴"なのである。
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