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彼は頭をさすりながら突然のことに驚いた。
『‥痛ッ…いったい何がどうなったんだ?』
「んっ…いたぁい」
『あっきみ大丈夫?』
目の前には女の子。
どうやらぶつかったみたいだ。
というよりは、一方的に楽斗が被害に遭っただけなのだが、根はやさしい楽斗くん。
視線を落とし手を差し伸べた。
「あっはぃ。大丈夫です。
巻き込んじゃってすみません、ちょっと転んじゃって…テヘッ☆」
『テヘッ…じゃなくてスカートまくれて全部見えてるから///』
「きゃッ」
『みずい…まぁ無事ならよかった……………?………ッ!』
「もぅ~
…あっ私、唯です。
《水上唯(ミナカミ ユイ)》♪
身長148㎝、体重ゎ…ってなに言わせるんですか!!
えっと…ちょっと、本当にちょっとだけ幼さの残るかわいぃ女の子です♪
あっ!あなたゎ??
………あれ、どうかしました?」
『いゃ、よく喋るなぁって
てかそんなことより…ここどこかなぁってッ』
「えっ?」
『…足元』
「……………ッ」
驚くのも無理はない。
路側帯を走っていたはずの自転車がない。
いや、自転車どころか道路や標識、コンビニや周りの民家
までもがなくなっていた。
『俺たち千場(センバ)にいたんだよな?
どうしてこんな雲みたいなのの上にいるんだ??』
目の前に広がるは青い空。
足元には白い雲。
「………もしかして……
私たち死んじゃったの?」
『わからない…』
「えぇ~~~~ッ」
そぅ‥彼らは今、自分達の知らないところにきてしまっているのだ。
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