つながらない電話

4/10
前へ
/10ページ
次へ
チュン…チュンッ… スズメの声―… 眩しい光―… ピピピピピ… 微かに聞こえるピピピピピ……… ………ピピピピピ? 「……ハッ」 ガチャ! ピピピピピは目覚まし時計だった。 「…ん~…ふぁあぁあ~」 大きなあくびをしながら時計を見ると…朝の6時ジャスト! 携帯を手に電話帳から彼の名前を捜す。 [決定] ピッ ♪~♪♪~~♪ 「……あれ?」 だいぶ鳴らしてんのにつながんない… 一回切って もう一回かける。 ♪~♪♪~~♪ 「やっぱり繋がらない…」 あぁ…このままだとヤバイな… 何回も切っては掛け、切っては掛け… それでも繋がらない… どうしよう―…」 だって翔は一人暮らし。 当然起こす人はいない。 しかも よりによって今日は大学受験日… 「まだ繋がらないよ~」 もう着信は30件をとうに越えただろう… 再び時計を見ると、時間は七時半をまわっていた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加