独身になっちゃった。

4/8
前へ
/137ページ
次へ
さて、仕事終了。これから、買い物して帰ろう。 『みこちゃん、帰りかい?』 と悟郎さんが声をかけてきた。 『そうよ。買い物してから帰るの。悟郎さんも終わり?』 『ああ、今日は帰りさ。俺も買い物付き合おうか?荷物持ちが必要だろう?』 『えぇ、悪いからいいわよ。独りで大丈夫だから…』 (どうしよう、結構荷物多くなるよなぁ。) 『俺、帰っても一人だから、暇だし…気にすんなよ』 『じゃあ、お願いしちゃおうかな』 (助かった。これで、沢山買いこめるな。あれ、悟郎さん、一人って、どうしてだろう。まあ、いいか…) 『さあ、行こう。🚗いいんかい?』 『大丈夫よ。明日休みだし、ゆっくり散歩しながら取りに来るから』 悟郎さんの🚗で、近くのスーパーまで行く事になった。 『冴ちゃん、🚗置いてくね。明日取りに来るからね。お父さんとお兄さんによろしくね。じゃあ、お疲れ』 『みこちゃん、気をつけてね』 何にも聞かない所が、冴子の良いところだな。 『さあ、乗って』 然程手入れの行き届いていない、ワゴン車に乗った私は、疑問に思ってた事を切り出した。 『ねえ悟郎さん、帰っても一人って、どういう事?奥さまは?』 なるべく遠くを見ながら、言ってみた。 『俺、社長にしか言ってないけど、みこちゃんと同じ、離婚したんだ』 『えっ、いつ?』 『もう、3年になるかな』 『なんで隠してたのよ。知らなかったじゃん』 悟郎さんも私と同じ、バツイチだと思った瞬間、体の中に熱いものを感じた。親近感というか、同じ匂いというか、なんとも云えない感情が湧き出てきた。 『ごめんよ。誰にも知られたくなかったんだ。理由が理由だけに…』 それ以上、聞いてはいけないと感じた。でも、聞いてみたいという好奇心は止まらなかった。 『もし良かったら、理由聞かせて』 話をしているうちに、スーパーに着いてしまった。 『また、今度な。さあ、買い物、買い物』 はぐらかされた私は、好奇心と理性の葛藤の中、🚗から降りてカートを押し始めた。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加