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「はぁ!?」
「そもそも、天国とか地獄とかは、貴方がた人間が勝手に考えた空想でしかないのに、貴方は何故そんなものがあると確信しているのですか?」
そう言われてみればそうだ。
納得してしまった。
「まぁ…そんなこと言っても無駄ですけどね…」
「ちょっとまて!?じゃぁ天国でも地獄でもないなら、俺はこれから何所に連れて行かれるんだ?」
どこかに連れて行くなんて、ヒツギは一言も言っていないが、とにかく哲男は混乱していた。
「あなたは、これから来世に向かって旅立つのですよ」
「来世…」
来世か…生まれ変わるわけか…なんだよ、人間の空想を馬鹿にしてたわりには、聞いたことある話じゃねぇか。
輪廻転生、因果応報という言葉が、頭の中を渦巻く。
現世であれだけの事をしてきた俺は、一体来世ではどんな酷い人生を送らなくてはいけないのだろう。
そもそも生まれ変わっても、また人になれる理由なんてどこにもない。
いや…まてよ、輪廻転生や因果応報だって人間が勝手に考えた空想にすぎない、もしかしたら、死んだら現世で行ってきた所業など関係が無く、全くのランダムで来世が決まったりするかもしれないではないか?
勇気づけるために無茶な設定を考え、恐る恐る聞いた。
「俺は、生まれ変わったら何になるんだ?」
「知りたいのですか?」
ごくりと喉が鳴る。
「あぁ…教えてくれ…」
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