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「はっ…」
目が覚める。
もちろん体は、五体満足に戻っていた。
「お見事です、哲男さん」
心のこもっていない作り笑いをしながら、お世辞を吐くヒツギの言葉など、耳に入っていないかのように、目が覚めた哲男は、すぐに砂時計を見た。
砂時計を見ると、残り時間は、約3時間10分。
「哲男さん、分かっているとは思いますが、包丁はまだ11本残ってますからね」
哲男は、無言で床に散らばる11本のうちの1本を手に取り、刃先をヒツギに向けた。
「黙れ」
思いっきりガンを飛ばす。
「ふふふっこれは失礼いたしました」
全く悪びれていないヒツギの顔から、包丁に目を持っていく。
両手で柄を握り、力を込め…
刺す
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