死後

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目が覚める… もう床に包丁は1本も無かった… 「やった…やりきった…」 砂時計を確認すると残り時間約1時間15分 時間は十分に残されていた… 「どうだ…出来たぞ…出来るんだ…死ぬ気になれば…なんだって出来るんだ…」 そう答える哲男はあの凄まじい死の繰り返しを行う前の哲男と比べて明らかにやつれていた…体は五体満足で痛みなどあるはずもないのに… 「素晴らしい!実に素晴しい!とてもいいものを見させて頂きました!」 ヒツギは拍手をしながら素直に喜び哲男を祝福した 「しかし哲男さん…2時間前にくらべてやつれましたね、それに随分老けてるように見えますよ」 「ふっ…そりゃ…やつれるだろう…まったく…寿命が縮んだよ」 「あっははははっそれは傑作ですね」 誰にも真似されることの出来ないジョークを言いなんとか余裕をみせる 「さてさて…哲男さん…見事に13本の包丁で自殺することに成功しましたが…まだ終わりではありませんよ…」 そんなことは分かってる… 残り約1時間15分… 再び残り時間を確認した哲男はお湯の並々注がれたバスタブに目をやった…
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